パイロットプラント

化学工学とは?

そもそも化学工学って?

【化学工学科?】
化学工学科,工業化学科,応用化学科…大学の学科名ですけど、どれも同じに聞こえますね。実際のところ、高校生から見たらどれも同じに見えるのではないでしょうか? 私の過去から現在に至る専門は化学工学です。英語では Chemical Engineering つまり、Chemical(化学的な,化学的手法を用いた)な、Engineering(工学,エンジニアリング)な訳です(そのまんまか  。

【で、化学工学って何なの?】
プラントエンジニアリング基にした学問です。こんな言い方すると、かえってわからなくなってしまいますね。結局は、如何に効率の良い工場(と言うか、正確には反応装置つまりプラント)を造るのか、ってことを考える学問な訳です。

【それじゃ、工業化学との違いは?】
工業化学や応用科学は、化学反応を主に扱います。アレとコレを混ぜると、ナンタラカンタラっていう物質ができるってヤツです。化学工学は、そのナンタラカンタラという物質を大量生産するにはどうすれば良いのかを考えます。反応装置に何を使うとか、反応器の体積や形状だとか、原料の仕込み料や供給量をどうするとか言う操作条件などです。


【化学工学の始まり】
工場などで化学製品をつくるとき、装置の中で物質の組成や性質を変化させるプロセスを経て、製品ができます。でも、単に化学的な変化を与えただけでは製品はできませんよね。反応の前後に、混合または分離,精製などと言った、前処理や後処理が必要です。一般的に、全工程の中で化学変化を行う部分よりも、そこまでの前処理や、反応後の後処理の方が経費がかかる場合が多いと言われています。
20世紀の石油化学時代に入り、分離などの物理的な処理を分類、整理して、プロセスを合理的に構成しようという試みがアメリカで始められました単位操作(Unit Operation)という概念の提案です。

【そして発展】
当初は単位操作の確立と応用が化学工学の中心でしたが、1940年代に入り、プロセスの心臓部である反応装置の設計の合理化が求められるようになり、「反応工学」という分野が生まれてきました。
1960年代になり、単位操作に共通する、基本的な因子や研究課題を体系化しようとする流れが出てきました。このような流れから出てきたのが、移動速度論(移動現象論:物質や熱の移動に関する学問)や紛体工学と言った、現在の化学工学の基礎となる学問が確立されていきました。1960年代後半から、プロセス全体を扱う、「プロセス工学」などが生まれてきました。

【現在は…】
化学工学はありとあらゆる現象,操作を一つのシステムとしてとらえ、そのシステムを幾つかの要素の集まりとして表現できるため、方法論の学問とも呼ばれます。
これまでにも、公害対策や環境技術、火力・原子力発電、鉄鋼分野などで、化学工学の威力を発揮してきました。

化学工学は化学工業を対象に誕生しましたが、現在その応用は、化学工業の他にエネルギー,地球環境,新素材,バイオテクノロジー,医療,資源,リサイクルなどなど、多くの分野に亘っています。

化学工学は縁の下の力持ちとなって、様々な他の他の産業も支えていると言えます。